« 2008年2月 | トップページ | 2008年4月 »

2008年3月

2008年3月29日 (土)

鋼の錬金術師(19)

ホムンクルス達が「父」と呼ぶ者とヴァン・ホーエンハイムの関係が明らかになる。


心ある者達は追い詰められ、世界はホムンクルス達に支配されつつある。エドはエドなりに、アルはアルなりに、その中で周囲の人々と最善を目指していくが・・・


エドは己の甘さで重傷を負う。錬金術で応急処置は出来たものの、キンブリーの後を追うこともままならない。オリヴィエ不在のブリッグス砦にも危機が迫る。元マスタング組は、その事実を知りつつ、身動きが取れない。


ホーエンハイムはホムンクルスへ「宣戦布告」する。
そして、息子達の師匠であるイズミに、自分の正体を明かす・・


物語は決着へ向け走り出す。ストーリーテラーとして、荒川弘は才能があると思う。今は離ればなれになっているエドとアルを交互に追っていく展開である。アニメとは異なる、どういう結末を迎えるのか、更に楽しみになって来た。


スカーが良い人になり過ぎている気はするが・・・





にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

貴方の仮面を身に着けてHP

| コメント (0) | トラックバック (0)

内館牧子の仰天中国

「行くなら今だ!」と言われても、おいそれとは行かれないVIPな旅が大部分である。


世話をしてくれるスタッフ、道中の交通の便や案内をしてくれるガイド、それらを雇う財力と時間がなくば「行きなさい」と言われても行かれないのが、中国の奥地なのだ。せいぜい、北京や上海、香港が関の山であろう。


この本が特に推奨する面白い場所は、それ以外であるが。


脚本家である作者の目は人々の暮らしを鋭く観ている。そしてそれは日本人を描く事を生業とする彼女から、様々な反応を引き出す。職業的な遠慮もあるだろうから、はっきりとは言わないが、多くのものに恵まれ、五体満足であるのに、TVドラマを口をぽかんを開けて見ているしか娯楽のない人々への痛烈な皮肉が匂う。


人間としての誇りとは何か、生きるとは何か・・・


当たり前の事を当たり前に、日本はそれが一番難しい社会になっている。そして彼女を感動させた誇り高き人々の生活も又失われつつあり、遠くない将来、彼女が嘆いた日本の堕落が、この場所にも押し寄せる事を彼女は感じているのである。


それは、横綱の品格が失われたのと同様に・・・失われた事すら、もはや理解出来ない人々がどんどんと当たり前になっていく様に。





にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

貴方の仮面を身に着けてHP

| トラックバック (0)

素顔のままで

「貴方の仮面を身に着けて」のmenesiaの日記
日常のつぶやきや読書の記録など・・・

小説連載用のblogは・・こちら

喰いタン(10)

作者が自作のパロディをやる場合、どうしても自虐的な面が出て来る時が多い。
それは照れも幾分あるからであろう。


今回はあの「ミスター味っ子」の第一話が登場する。味皇の役割を演じるのは喰いタンである。陽一くんが大人になったという設定で、妙なデブが出て来る。もちろん本人ではない。「日没食堂」であるから。例の二度揚げのカツ丼が登場する。


この回は、あえて昔の絵に戻して描いている雰囲気がある。


この作者は食べ物関連の漫画が多いし、面白いのだが・・・惜しむらくは登場する料理の絵が「食べたい」と思わせてくれない事である。食べ物の絵は確かに難しいと思う。絵だけではなく、文章も難しいと思う。心底「食べたい!」と思う文章に巡り合う事は少ない。


「ミスター味っ子」のアニメは、ガンダムのサンライズの製作だった。原作とは一味違った面白さがあった。あの漫画が”格闘料理アニメ”とでも呼びたいものに見事に料理されていた。弁当対決でおかずにプロレスをさせた回は、今でも良く覚えている。もちろん原作にはそんなシーンはなかった。監督があのやたらに妙な熱さがあった「Gガンダム」の人と聞いて、納得した。


そういう懐かしさもあって、いつもながらの高野の食欲ぶりも微笑ましく、読み終えた巻であった。





にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

貴方の仮面を身に着けてHP

| コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月28日 (金)

HP更新のお知らせ

Banas01a_2

「金銀花は夜に咲く」第30~33話掲載
オリジナル短編「エルメスの猿の灰皿」「故郷に雪降りて 」他
オリジナル詩篇 更新致しました。

小説の連載用のブログを移転致します。


楽天の方で書き続けて参りましたが、広告のスペースや入る箇所が増大し、なおかつ迷惑コメントやスパムTBと何ら変わらぬ内容の広告ばかりになった為です。せっかく読みに来て頂いた方へ、いらぬ不快感を与える仕様なのが苦痛になって来ましたので・・・・


新しい場所へは、HPのTOPページよりリンクを設置致しました。
今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m



にほんブログ村 本ブログへ

貴方の仮面を身に着けてHP

| コメント (0)

2008年3月16日 (日)

影に潜む

ジェッシイ・ストーン・シリーズの一作。先に読んだ「訣別の海」よりも前に書かれた作品である。映像化もされている。


殺人を快楽とする金持ちの夫婦。彼らには罪の意識はない。ゲームの様に人を殺し、殺した後の興奮の中で、二人が交わる事を喜びとしてる。彼等はジェッシイを田舎者の警察署の署長と馬鹿にしたが、ジェッシイは彼等の思ったほど愚かではなかったのだ。


並行して、レイプされたハイスクールの少女と、まったく反省の色を見せない人間の屑の少年三人とのジェッシイの交流が描かれる。そして、殺人事件をジェッシイが担当している事を利用し、自分をTV局に売り込もうとする元妻ジェン。


ジェンは人間としても女としても唾棄すべき存在だが、ジェッシイにはかけがえのない人なのだ。美人でセックスが上手い。そして自分を必要とする。自分がいなければダメになる。そんな風に思っている。男女を逆転すれば、悪い男に騙される女の典型的なパターンである。


「訣別の海」では、ジェッシイはジェンと再び一緒になっている。彼女にいくら利用され、彼女がいくら浮気をしても、彼は彼女を諦め切れないのだ。そして彼女もまた彼の庇護を必要としている。愛とは、そういうものだと言いたいであろうか。相手が出来の良い人間だから愛するのではないと。


スペンサーシリーズに比べると、読後の爽快感は少ない。けれども、完璧でない人間の悲哀と誰もが持ちえる人生の過ちの可能性について、いつも考えるきっかけを与えてくれるのだ。


最新作の翻訳を待ち望む。



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

貴方の仮面を身に着けてHP


| コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 6日 (木)

なんどもなんども行きたくなるディズニーランドの不思議

今年で25周年となるディズニーランドの成功を手本に、仕事の姿勢、企業の姿勢を語っていく。著者はアメリカのディズニーで働いた経験を持ち、東京ディズニーランドの立ち上げに携わった人物。


なぜリピーターが多いのか?
「自分達は大切にされている」とゲストに思ってもらう事。
「自分達は大切にされている」とキャストに思わせる事。


良くある話と言えば、そうだ。そこで衝突する、コスト、利益、効率化の数字の罠。数字には表れない部分が、実は重要だという事。それは、企業や仕事だけではなく、幾らでも応用が利きそうな内容である。


そして・・・現実、その情熱と方法を貫くだけの強い意志があったとしても、ままならないという事。だが、諦めるばかりではいけないという事。結局は、人間なのだ。人間としての生き方に繋がってしまうのだ。


ミッキーの笑顔が永遠なのは、ずっと笑う事が、彼に出来る最良の方法だからである。





にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

貴方の仮面を身に着けてHP

| コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 4日 (火)

神の雫(15)

『第四の使徒』の戦いの終焉。
勝者は一青となるが、雫は負けた気がしない。


ワインの示す「初恋」の相手を、二人はそれぞれの母親のイメージに求めていた。神崎豊多香の”初恋”のイメージは、一青のそれだった。その事に、雫は父からのメッセージを感じ取る。


読者はすでに、雫と一青が実の兄弟である事を知っているが、雫はそれを知らない。「親父が死の直前で養子にした赤の他人」だと、一青の事を言う。この勝負の真の意味はまだまだ隠されたままなのである。


亡父の意志が天から働いたかの如く、事件は起きる。神崎家の軽井沢の別荘から盗まれた秘蔵のワインを取り戻す為、雫と一青は初めて協力する事となる。ワインに対して無関心を装う犯人の化けの皮を剥ぐ為、二人は作戦を立て、見事に犯人に自白させる。


ここから先は、エレガントに事件は解決していく。


二人が、反発しあいながらも距離を縮めていった巻であった。そして夫婦に関する逸話を絡めた話もはさみ、夫婦とは、親子とは、家族とは何なのか、自然と考える方向に、雫は誘導されていくのである。


それも又、天からの采配なのか。





にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

貴方の仮面を身に着けてHP

| コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 3日 (月)

訣別の海

パラダイスの警察署長ジェッシィ・ストーン・シリーズの五作目になる。


元妻のジェンと再び仲が良くなった姿が登場する。翻訳の時期の関係で、サニー・ランドルとの熱愛と別れよりもこちらを先に読んだ読者は、混乱するかも知れない。どちらにしても、ジェッシィは、自分を裏切って男と寝る事でビジネス界で生き抜いていくジェンを諦めきれない、未練たらしい男なのである。


ジェンはジェンで、ジェッシィを上手く利用している。自分の行為を正当化し、彼女の浮気に悩むジェッシィの方こそ「変だ」と、精神医通いをさせているのである。そしてジェッシィにサニーという恋人が出来ると「レイプされた」と嘘を言い、ジェッシィの関心を引き戻す。


外見の綺麗さだけがすべての、実に狡猾で嫌らしい女だが、どうやら作者はこういう女がお好みの様で、かなり好意的な描き方をしている。「女は外見がすべて」だと、割り切っているというのか、実に男性本位だが、結局はこれが男の本音という所だろうか。


パラダイスで行われるヨットレースがらみの仕事にジェンは抜擢される。今回もジェッシィを都合の良い様に利用する。警察署長のジェッシィがいれば、トラブルなく撮影が出来ると売り込んでの事である。そして、彼女と関係のない所で事件は起こり、ジェッシィは多忙となる。


多忙の中で、アルコールの誘惑と戦い、そして愛について考える。


精神科医に「貴方は正しい」と言ってもらわねば、自分が誰を愛しているかも分からないアメリカ人は、不幸だと思ってしまう。元々目に見えない、割り切れないものである感情を、契約書という目に見える、打算的なものに置き換えねば安心出来ない彼等には、やはり精神科医が必要なのだ。


凄いな、世界の平和を護ると称する国の国民が、精神に不安を抱える人々ばかりとは。愛も世界平和も、所詮はそんな程度の価値しかないのかも知れない。妄想の中で膨れ上がる俺様正義と至高の愛のはざまで。

そんな皮肉ばかりを考えてしまう、爽快感のない物語だった。





にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

貴方の仮面を身に着けてHP

| コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年2月 | トップページ | 2008年4月 »