素顔のままで
「貴方の仮面を身に着けて」のmenesiaの日記
日常のつぶやきや読書の記録など・・・
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三井財閥で叩きあげ、財界人で初めて国鉄総裁となった石田礼助の生涯。
城山三郎の本は、個人の感想や推測が偏りすぎる思い込みとならず、控え目なのが読みやすくて好感が持てる。対象となる人物からの距離が、実に上手いと思う。
明治の紳士の生き様が描かれている。社会での実力者である人が、家庭内でも采配をふるいたがり、妻や子供たちに窮屈な思いをさせるのも、この時代の特徴である。そう私が言えるのは、私の祖父も同世代の人間であったからだ。
石田氏の生活の逸話の端々に、懐かしく祖父を思い出した。
このような紳士は現在の日本には存在しないだろう。日本の戦争映画に軍人顔がいなくなったように、絶滅してしまったのだろう。外国映画を観るたびに、良い面構えの人物がこの国にはいなくなってしまったと痛感する。
最近観た映画「ハゲタカ」の中で、中国人に「生温い地獄」と言われた日本。今のこの国を石田氏が見たら、何と言うだろうか。
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坂東眞砂子というとホラーしか思い浮かばないが、若い頃はこういう本も書いていたと知った。イタリア留学(?)時代の逸話集。
言葉も習慣も知らず「行けばナントカなる」と渡航、そこでの数々の騒動は、同情よりも飽きれる方が先に立つ。微笑ましいと感じられる内容が少ないのが辛い。
女一人の海外のパイオニアは「天国に近い島」の森村桂だろうが、あの当時は情報そのものが少なく、知らなくても行くしかなかったのだ。少なくとも彼女のイタリア留学当時は森村桂の時代よりは、調べれば得られる事も多かったと思う。
後年のあとがきで本人も「甘ったるさが鼻につく」と書いている。
こういう現地でご迷惑をおかけしている留学生は、今でも大勢いそうな気がする。本人には貴重な体験かも知れないが。
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一気に読み終えてしまった。
西部劇はいい。何もかもがシンプルだ。生きる事は単純であるからこそ意味があるのだと教えてくれる。無法地帯では銃を持つ男が法となる。銃を持つ、イコール人を殺す事。どこかに歯止めをかける為に、男は己にルールを架す。
アパルーサとは種馬の事、種馬には雌馬が必要、雌馬は一番強い種馬に身を寄せる。(これもシンプルな自然の摂理だ。この法則がこの小説のすべて。上手い、憎いほど上手い)
ハードボイルドは都会のカウボーイ。ロバート・B・パーカーの筆に迷いはない。今も昔も男の本質は変わらない。そして女も・・・
エド・ハリスがすぐに映画化を決めた作品。
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”イングリッシュ・ガーデンの聖地”と呼ばれる「シシングハースト・カールス・ガーデン」を作った女性ヴィタの伝記。
由緒ある貴族の末裔であり、詩人、エッセイストとしても活躍。同性との駆け落ち事件で世間を騒がせた女性。彼女が後半生を注ぎ込んだ庭園とそれにまつわるエピソードで綴られていく。
女性の手になる優しい文章は、何処かにベルベットローズの手触りを感じさせる。感傷をあえて排除した内容は、表面的な花の咲き乱れる美しさに溺れるのではなく「ガーデニング」という作業が地道である事を知っている人が書いているからだろう。
古き因習に女性が虐げられていた時代(今もすべて解放されたとは言い難い)、誇り高く咲くバラがあった事を教えてくれる。その花びらはまったくの純白であった事も。
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死後これだけ経ても、本のネタとなる池波正太郎は確かに凄い。
昭和43年の食事の記録と行動のメモ書き。世相が解る、作者の本音がちらりとのぞく。
完璧な人間はいない。作家もしかり。けれども未だに多くの読者を生み出し続ける作品を残した作家の足跡を知りたいと思う者には「さけては通れぬ・・・」本なのかも知れない。
久しぶりに「やぶ」で蕎麦をたぐり、「竹むら」で汁粉でも食いたくなった。
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何が言いたいのか、さっぱり解らない本。
素人のワイン好きが「初心者でも出来るワインの楽しみ方」を書いているかと思ったら、そうではないらしい。本人が飲んだ時のメモが出て来るが、気負った内容に読んでいる方が恥ずかしくなる。「オレはこんなにワインを知っているんだ」という気持ちが見え隠れするので、どうも面白くない。
マリアージュというわりには、ワインと食べ物の取り合わせの妙を教えてくれるわけでもない。ワイン単体の味に熱くなって語るのだが、すべて空回りでこちらにはその熱さが伝わって来ない。
知識の足しにはならず、エッセイとしても面白くなく、中途半端な本だった。
何が冒険なのか?ワインという壮大な迷路の中を、必死で駆け回っている筆者の姿を冒険者と捉えるべきなのか?ある意味、勇者かも知れない。
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お馴染スペンサーシリーズの第36作目。
ある時は敵であり、又ある時は味方であった”灰色の男(グレイ・マン)”。プロ中のプロの殺し屋である彼の不可解な行動から事件は始まる。
金のない不幸と金のある不幸が、今回も多くの命を奪い危険に晒す。
スーザン、ホーク、ヒーリイといったいつもの顔ぶれも健在だ。特筆すべきは「スーザンが料理をした」事だ。それも美味かったらしい。もっともスペンサーの冷徹なる識別能力も、スーザンに関しては愛というフィルターを通しているので、言葉通りかどうか(笑)
(そういえば前作で仄めかされた二人の”結婚”はどうなったのだろう)
いつもながら裏切らない面白さ。一気に読んでしまい、後で後悔する。次の翻訳を待つまでの期間が長すぎる。すでに二冊刊行が決定しているとはいえ。
今回・・・面白い言葉を見つけた。スーザンが口にした言葉。
「高貴なる者の義務(ノブレス・オブリージュ)」
放映中の「東のエデン」でキーワードとなっている言葉である。毎回楽しく観ている。
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大英博物館やルーヴル美術館など、世界の名だたる博物館(美術館も含まれている)の簡単な紹介と代表的な展示物数点をまとめたもの。
謎とタイトルにあるほどの謎は見当たらないし、目新しい情報はないが、読むと知識の整理にはなって良いかも知れない。
ここに上げられている博物館の中で、実際に訪問した場所は二箇所しかないが、それでも「本物を見た」という体験が、自分の中で何らかの糧になっているのを、再確認出来たのは有意義だった。
旅は出来る限りした方がいい。それも若いうちに・・という言葉は本当だと思う。
ただ若さゆえに見えない事も多い場合もある。だが、エルミタージュ美術館のロビーで所在無さけに煙草を吸って時間をつぶしていただけのオジサンよりは、知識はなくとも興味を持って歩き回っていた子供の方が、エルミタージュの存在意義にかなっていたのではないかと・・・そんな事を思った。
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酒を飲むには人生がいる。理屈で酒を飲みたがる。だがそれらの居酒屋の常連は、そんな事とは無縁の人々である事が多い。そんな気がする本である。
上手い随筆というのは、酒や肴の美味さが伝わって来るものだ。この本はそこまで達していない。酒の名前を並べても、そこで止まってしまう。飲みたいと思えない。
ひとつは今は情報が氾濫しすぎて「知る人ぞ知る」ものが少なくなってしまったからかも知れない。現実に味わった人は少ないにしても。
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「よしたにの新刊が出たよ」とうれしそうに友達に言われた。複雑な気持ちになった。その人から見ると、私も同類に思われているらしい。
源さんに愛のムチを喰らいながら(?)仕事の合間をぬってのよしたにの創作は続く。漫画喫茶にこもったり合宿をしたり、婚カツを体験したりと充実した執筆だったらしい。
会社や家族にバレていないはずはないだろうが、それでも普通の生活をしているヲタの代表として、よしたにが描き続けるのを、生温かく見守る(そんな言葉もありました)人々もまた多いのだろう。
オタクといっしょくたにされているが、好みの範疇や方向や必ずしも一緒でない・・と力説してしまう時点で、もうダメなのかも知れないと思ってもいる(笑)
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